その便秘こそ大腸ガンの黄信号 便秘の人は大腸には宿便が貯めすぎている、それを早く出したほうが美容にも健康にもいい、ということで、腸を洗浄するコロン・ハイドロセラピーがちょっとしたブームになっているようです。
4章 きれいな腸を取りもどそう
(2)「腸内革命」――体の中から美しく、健康に――
コロン・ハイドロセラピーというと、いかにも新しい健康・美容法と思われがちですが、これは「水浣腸」のことです。紀元前から行なわれている古い方法で、どこの国にもそれぞれの浣腸のやり方があったはずです。
日本での浣腸の歴史も古く、大昔から家庭で自然と行なわれていたと思われます。子どもの体調が悪いときなどに、わりと普通に浣腸をしていたのです。
体にある毒素を全部出してしまおうとする発想ですから、腹痛や発熱などには一定の効果が期待できます。ところが、現在では熱が出たからといって浣腸をする人はほとんどいません。おばあちゃんの知恵%Iな治療法が伝承されなくなったのでしょう。
これを現代的にリメイクし、機械的にやるようにしたのがコロン・ハイドロセラピーです。原理的には、高圧浣腸や、腸洗浄と同じです。
肛門から管を入れて大量の水を入れて、便とともに水を出します。
私も大腸内視鏡の検査前に腸洗浄液(下剤)がどうしても飲めない人に、よく利用します。
この方法は下降結腸あたりまではきれいになりますが、全大腸をきれいにすることは困難です。でも硬い便は肛門の近くにありますから、便秘治療としては有効です。
上のコロン・クレンジング(腸洗浄)と違うのは、コロン・クレンジングは口から飲んで全消化管を洗浄する、トータル・クレンジングであるのに対し、コロンハイドロセラピーのほうは、肛門から入れてその近くをきれいにする、パーシャル・クレンジングであるということです。
上行結腸あたりの便は残りますので1回の治療で、宿便のすべてを排泄することは困難ですが、何回か繰り返すうちに、腸内フローラを、替えることも可能だと思います。
コロン・クレンジング(腸洗浄)と比較すると、回数、費用の面のデメリットがありますが、手間、時間の面ではメリットがあります。
今後、便秘と大腸ガンの増加に伴い、日本でもアメリカのように広まっていくでしょう。